第28回 2004.9.17

講談 旭堂 南鱗

昭和51年4月入門。3代目南陵門下。講談もできる相撲解説者

「臆病の一番櫓」

 

 

落語 林家 小染

昭和57年4月入門。先代小染門下。上方落語会の実力派

「試し酒」

 

親子二代の速記者・落語研究家の今村信雄(1894~1959)が昭和初期にものした新作です。

ところが、この噺には筋がそっくりな先行作があります。明治の異色の英国人落語家・初代快楽亭ブラックが明治24年3月、「百花園」に速記を残した「英国の落話(おとしばなし)」がそれで、主人公が英国ウーリッチ(?)の連隊の兵卒ジョン、のむ酒がビールになっている以外、まったく同じです。

このときの速記者が今村の父・次郎ということもあり、今村はこのブラックの速記を日本風に改作したと思われます。

では、オリジナルはブラックの作または英国産の笑話かというと、それも怪しいらしく、さらにさかのぼって、中国(おそらく唐代)の笑話に同パターンのものがあるともいわれます。

落語 笑福亭右喬

平成4年9月入門。松喬門下。好人物で仲間内では人気者。

「みかん屋」

 

第28回の会場の様子

第27回 2004.5.21

講談 旭堂 南鱗

「山内一豊とその妻」

内助の功という言葉が出れば、必ず一番最初に名前が挙がるのは、山内一豊の妻、千代だ。ヘソクリをして馬を買ったり、政局を読み助言を行い、夫の立身出世の為、色々と働きかけたという逸話がいくつか残っている。
 一番有名な話が、件のお馬さんを買うというものだろう。貧乏侍だった一豊が、馬市で一目惚れした名馬を、千代の持参金で購入するという。真偽の程は不明だが、日本人に好まれる話の一つに成っている

 

花鱗さんHPより

落語 桂 文昇

昭和59年6月入門。文枝門下。古典一筋の本格派

「書き割り盗人」

 

 

講談 旭堂 花鱗

平成13年4月入門。南鱗門下。上方講談会のいやし系

「宮本無三四」

第26回 2004.1.23

講談 旭堂 南鱗

「孫六馬の出世」

落語 笑福亭仁昇

昭和59年12月入門。仁鶴門下。男気のあるスポーツマン

「手水回し」

 「ところ変われば品変わる、品が変わらずにモノの名前が変わる」ことから起こった間違いを描いた咄で、『転失気』に通じる「知ったかぶり」の滑稽さも含んだ咄です。
 なお、この咄は『貝野村』という咄の後半部です。全体の粗筋を書くと...
 大阪のとあるお店の若旦那が、少し前に暇をとった丹波の貝野村から来ていた女中に恋患いで命が危ない。その娘を嫁にもらいうまでのゴタゴタが前半。後半は、若夫婦が訳あって貝野村へやってきて、若旦那が「手水を廻して」と云ったとき、意味が分からなくて、長い頭を回してしまう。あまりのことに「恥をかかされた」と怒った娘は若旦那を連れて大阪へ帰ってしまう。娘の父親はハタと困った。大阪に親戚ができたのに、またこんなことになっては貝野村の恥じゃ。そこで、父親とその使用人とふたりで大阪は日本橋の宿に泊り、そして上記のような事態に至るのである。

 このような内容なので、前半と後半は必ずしも互いに必要ではなく、それぞれ独立して演じられる場合が多いようです。

落語 桂 まめだ

平成12年7月入門。文福門下。ようやく弟子修行が明け独り立ち

「寿限無」

 生まれた子にめでたい名前を付けたいという話になり、とにかく「長い」名前を付けようととんでもない名前を付けた、という笑い話。縁起のいい言葉を紹介してもらいどれにするか迷って全部付けてしまった、という筋の場合もある。

 生まれた子供の名前をつけてもらいに和尚さん(和尚でない演出もある)のところに出かけて、おめでたい言葉をいろいろと教えてもらった父親が、それをすべて子供の名前にしてしまう。子供はすくすく育って腕白小僧になり、近所の子供とけんかをして、殴られた子供が父親のところに言いつけに来る。やり取りの中で長い名前が繰り返されているうちに、殴られたこぶが引っ込んでしまった、というのがサゲ。

 もともとは「“子供が川に落ちた”という村人の報告が、その長ったらしい名前のせいで確認しているうちに、溺れ死んでしまう」という皮肉が込められたような話であり、まだ続きがある。だが、子供が死ぬという描写が時代に合わず改作が登場した。このように時代の背景を鑑みて展開が変わるのは落語でも珍しいことではなく、他の展開では、この寿限無は大変な寝坊助であり、入学式の日に家族が名前を呼んでいるうちに、夏休みを迎えてしまうというサゲの展開もある。
 基本的には前座噺であり、噺の内容に興趣があるというよりも、暗記技術の練習、会話の間の取り方、人物の演じ分けなど、落語家の基礎訓練のための噺という色彩が濃い。しかし早口言葉の面白さがあり、前座噺のなかではよく知られたもののひとつである。プロの落語家でも、最初歩の練習として師匠からみっちりとこの噺を教え込まれたという者は多い。落語の基本中の基本の噺の一つともいえるが、このような良く知られた前座噺を面白く聞かせるには逆に高度な技術が要求される。

お楽しみ抽選会。

南鱗師匠もくじをひきます