落語 桂 米左 昭和59年3月入門 3代目米朝門下。落語はもとより鳴り物の名手
「ふぐ鍋」
河豚を貰ったので鍋にして食べることになる。出入りの男を呼んで食べさせるが中毒が怖くて手をつけない。「お前はんも食べんのかいな。」「へえ。まず、旦那はんから食べとくんなはれ。」「いや、わしもなあ。・・・」鍋を前に二人が途方にくれていると、折よく物貰いがやってきた。「そんならあいつに食べさせて具合見てやれ。」「そらよろしいな。」と少しだけ与える。様子を見にやると何ともない。まず大丈夫だろうと二人で鍋を平らげる。と、そこへ物貰いがやって来て「旦那さんがたが大丈夫ならゆっくり頂きます。」
講談 旭堂 南鱗
「木村長門守」
落語 笑福亭岐代松 昭和57年6月入門 6代目松鶴門下 落語はもとより笛・太古の名手
「紙入れ」
貸本屋の新吉は出入り先のおかみさんに誘惑され、旦那の留守中にせまられていた。そんな時にいきなり旦那がご帰宅、慌てた新吉はおかみさんの計らいで辛うじて脱出に成功する。
もうやめようと決意する新吉だったが、旦那からもらった紙入れを、現場に忘れてきた事に気づく。しかも、紙入れの中にはおかみさん直筆の『遊びにいらっしゃい』という手紙が入っている――絶体絶命である。
焦った新吉は逃亡を決意するが、ともかく先方の様子を探ろうと、翌朝再び旦那のところを訪れる。
出てきた旦那は何故か落ち着き払っている。変に思った新吉は、「他の家の出来事」と称して昨夜の出来事を語ってみるが、旦那はまるで無反応。ますます混乱した新吉が考え込んでいると、そこへ浮気相手のおかみさんが通りかかる。
旦那が新吉の失敗を話すと、おかみさんは「浮気するような抜け目のない女だよ、そんな紙入れが落ちていれば、旦那が気づく前にしまっちゃうよ」と新吉を安堵させる。
旦那が笑いながら続けて「ま、たとえ紙入れに気づいたって、女房を取られるような馬鹿だ。そこまでは気が付くまいて」
講談 旭堂 南鱗
「佐野山権平」