講談 旭堂 南鱗
昭和51年4月入門。3代目南陵門下。講談もできる相撲解説者。
「越ノ海勇蔵」
体の小さな力士越の海勇蔵(こしのうみゆうぞう)。彼は地元の旦那の紹介で柏戸(かしわど)という力士の下へ弟子入りするが、柏戸はこんな小さな奴を弟子に取ったことが知れれば世間の物笑いになると勇蔵を忌み嫌い、何とか追い返そうとつらくあたる。 勇蔵はそんないじめにも耐えて三年間がんばるが、柏戸は稽古場に上がることさえ許さず、ついに勇蔵は力士になるのをあきらめる。
江戸の最後の思い出にと柏戸は勇蔵を連れて各部屋合同の稽古会に勇蔵を連れて行ってやるが、そこで勇蔵は見るだけという柏戸の言いつけを破って土俵へ上がった。
横綱の谷風がためしに稽古をつけてやるとこれが想像以上の怪力で、つづいて大関雷電が稽古を付けワイワイという騒ぎ。仕度部屋から出てきた柏戸がそれを見て仰天し『今日、国へ追い返すのじゃ』というと『それはもったいない、わしにくだんせ』と横綱谷風が勇蔵をあらたに弟子にすることになり、彼は寛政時代を飾る名物力士のひとりとなっていったのである。
落語 桂 小福
昭和54年12月入門。福団治門下。福団治門下の筆頭弟子。ベースギターの名手
「代書屋」
とある代書屋に、無筆の男が履歴書の代書を依頼しにやってきた。さっそく仕事に取り掛かる代書屋だが、この依頼人、底抜けにスカタンな男で、本籍地の口述で向かいの家の商売まで説明したり、やってもいない商売を述べたり、果ては飛田遊郭に初めて行った日まで言い出し、代書屋は頭を抱える……
落語 桂 こけ枝
平成2年11月入門。文枝門下。老けて見えるがまだ若い。期待の若手
「ちりとてちん」
旦那の誕生日に、近所に住む男が訪ねて来る。
白菊、鯛の刺身、茶碗蒸し、白飯に至るまで、出された食事に嬉しがり、「初めて食べる」、「初物を食べると寿命が75日延びる」とべんちゃら(お世辞)を言い、旦那を喜ばせる男。
そのうち、裏に住む竹の話になる。件の男、何でも知ったかぶりをするため、誕生日の趣向として、竹に一泡吹かせる相談を始める。
そこへ、水屋で腐った豆腐が見つかり、これを「元祖 長崎名産 ちりとてちん」(または「長崎名物 ちりとてちん」)として竹に食わせるという相談がまとまる。
そうとは知らずに訪れた竹が、案の定「ちりとてちん」を知っていると言うので食わせると、一口で悶え苦しむ。
旦那が「どんな味や?」と聞くと、竹いわく「ちょうど豆腐の腐ったような味や・・・」。
講談 旭堂 南鱗
「河村瑞賢」
落語 笑福亭三喬
昭和58年4月入門。松喬門下。弟子もでき、松喬一門のリーダー格
「蛇含草」
町内の隠居さんの軒先に草がぶら下がっている。この草はうわばみ(蛇)が人間なんかを飲み込んだ時にこの草をなめると人間が解けるというものでまじないのために軒先にぶら下げているのだと隠居は言う。
そこでこの草を半分もらい着ている甚兵衛の紐に結び付けた。
隠居さんがちょうど餅を食べるところだと言うので、餅は大好物で、5・60個位朝飯前だと大口をたたく。
最初は調子よく食べだしたが、全部食べきれず少し残して家に帰った。家に帰っても腹の調子が悪くなり、床を敷かせて横になるが、気分が悪く胸をなでている内に、紐にムズび付けた草をさわった。
蛇にも胸やけに効くのだから人間にも効くだろうと、むしゃくしゃと草を食べてしまった。
隠居が心配して訪ねてきて、寝ている部屋の障子をあけると・・・
落語 林家 竹丸
平成7年8月入門 染丸門下。元NHK放送記者の変わり種
「うなぎ屋」
鰻屋(うなぎや)は古典落語の演目の一つ。別題は「素人鰻」。原話は、安永6(1777)年に刊行された『時勢噺綱目』の一遍である「俄旅」。
主な演者として、上方では初代桂春団治や橘ノ圓都などがいる。